石の上にも3年と申しますが、便器も10年20年と経つと、尋常な掃除では太刀打ちできない立派な汚れのオブジェが、知らず知らずの間に出来上がるものです。
便器の上にも尿石。長年の蓄積でこびりついた尿石は通常のブラッシングでは歯が立ちません。
でも、この便器。ピカピカとは言えませんが…あまり汚れてない…?
ところが、目線を変えてみるとこの通り。
ぎゃ!実物はお見せできません…。便器の中から上向きに撮った画像です。
キレイな例えで言うならば、焦げたカラメルのようです。
掃除がされているので、不快な臭いはありません。でも、裏側がこんなになっているなんて気が付きませんよねぇ。
皆さまも一度、ご自宅の便器の裏側を覗いてみては如何ですか?でも、便器のフチ裏は覗き込んでも簡単に見えるものではありません。手鏡かデジカメを使ってご確認ください。
※写真は家主様の許諾をいただき掲載しています。
ここでサンポールの登場です。家庭用としてスーパーなどで普通に販売されているトイレの洗浄・除菌剤です。塩酸→塩素ガス→危険と感じている方もいらっしゃるかと思いますが、注意書きに従って使用すれば尿石の除去には効果的な薬剤です。
便器のフチは内側に向かってひさしのようにせり出しているので、サンポールを塗布しても液がすぐに垂れてしまいます。そこで、液が止まるようトイレットペーパーで湿布します。トイレットペーパーはそのまま水を流せるので便利です。液が汚れを包むようにタップリと染み込ませるのがポイントです♪
でも、トイレットペーパーは水溶性なので破れやすくゴム手袋にくっつきやすいのが難点。扱いにくい場合には、細く切ったキッチンペーパーがお勧めです。水に強くエンボス加工が施されているのでゴム手袋でも扱いやすいのが良いところ。しかしそのまま流すと詰まりますのでご注意ください。
待つこと1時間。水を流してみると…おっ!見違えるように落ちました。通常の汚れであれば1回の湿布で十分です。
しかし、今回はまだまだ頑固な汚れが残っているので再度湿布します。
湿布の前にプラスチック製のスクレーパーで、フチの奥にへばりついた尿石を削ります。スクレーパーで削ることで汚れの表面に傷が付き、液が汚れの中に浸透しやすくなるんですね。キッチンの頑固な油汚れや焦げを薬剤で落とす時にも有効な方法です。
スクレーパーで削ってゆくと尿石のかけらがパラパラと落ちます。すでに通常の汚れや細菌などは十分洗い流されているので、作業していても汚いと言った感じはありません。
さて、再度湿布して待つこと1時間。ここまで落ちました♪
フチの下に並んだ給水口が見えてきましたね。あともうひと息。
汚れが残っている部分をさらに湿布します。
湿布して1時間後。最後にブラシとスクレーパーで仕上げます。直に見ることが出来ないので、仕上げは吸水口を頼りに手探りで行います。もちろん素手です。洗浄を繰り返したので、最早わたしの手の方が汚いかもしれません。
市販のトイレの洗浄・除菌剤だけで、やすり掛けすることもなくここまで汚れが落ちます。ご自分で掃除される場合、頑固な汚れは一度に落とそうとせず、数回に分け計画的に落としてゆくのがコツです。
なお、フチ奥の汚れを確認する際には、くれぐれもデジカメやスマートフォンを水没させぬようご用心くださいませ。
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